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2001 物理化学 II - 10章
10. 分子の極性
10.1 電気双極子モーメント
- 2つの電荷 -q と q が距離 r 離れて配置
- 電気双極子モーメント : -q から q
へ向かうベクトル
- (10.1)
- 単位 : D (デバイ) = 3.33564
10-30 C m
- 1 D = 10-18 Fr cm, 1 Fr = 10 C /
c0 [cm s-1] = 3.33564
10-10 C
- cf.) 1 離れた -e と
e = 4.80321 D
[永久双極子]
- 異核二原子分子 AB でおよそ、
- (10.2)
- : 電気陰性度
[誘起双極子]
- 電場 E によって誘起される双極子モーメント
-
(10.3)
- : 分極率
- LUMO 低
大
- 分極率体積
- (10.4)
- 0 : 真空の誘電率
10.2 マクロな物性−誘電率
[分極]
- 単位体積あたりの平均電気双極子モーメント
- (10.5)
- :
平均双極子モーメント, N : 分子数密度
[高周波電場中の分極]
分子はランダムな配向をとる
外部電場がなければ流体では P = 0。(多くの固体でも同様)
配向分極
分子配向が電場に追随して揃うことによる分極。 <
1011 Hz
変形分極
原子核位置が電場に追随して変形することによる分極。 <
1013 Hz
電子分極
電子分布が電場に追随して変形することによる分極。
|
図 10.1
高周波電場による分極 |
[誘電率]
- r 離れた2電荷 q1,
q2 の相互作用ポテンシャル
- (10.6)
- : 誘電率
- 比誘電率
-
(10.7)
- 静電容量 (コンデンサーのキャパシタンス) との関係
- (10.8)
ミクロな量との関係
- Debye の式
- (10.9)
- Pm : モル分極
- (10.10)
- Clausius-Mossotti の式 (
を無視)
- (10.11)
|
図 10.2 直線偏光 =
左円偏光 + 右円偏光 |
10.3 光学物性
[屈折率]
- 真空中の光速 c0 と媒質中の光速 c の比
-
(10.12)
- 誘電率との関係
- (10.13)
[光学活性]
偏光面を回転させる性質 :
円複屈折性 (右・左円偏光に対する屈折率の差異) による
- 直線偏光 = 2つの逆向きの円偏光成分の和
- 媒質通過時間の差
- (10.14)
- 位相差
- (10.15)
- 旋光度 (偏光面回転角)
- (10.16)
|
図 10.3 旋光度 |
問題10.1
以下に示す、水蒸気の蒸気圧における比誘電率
r の測定値から Debye
式を仮定して、H2O 分子の双極子モーメント
[D] と分極率体積
'
[3 = 10-30
m3] を求めよ。
温度 / C |
蒸気圧 / atm |
r |
80 | 0.467 | 1.00305 |
100 | 1.000 | 1.00587 |