気相 H2 (1H1H) 分子は波長 2.403
m (4162 cm-1)
にラマンスペクトルが観測されている。
赤外波長領域の吸収やラマンスペクトルは
一般に分子の振動数と一致したところに観測され、
これから分子の振動運動を知ることができる。
2つの原子からなる分子の振動は2個の原子が「ばね」でつながった、
調和振動子として近似することができ、 その運動方程式は x
を原子間の距離の平衡位置からのずれとすると、
[問題 1-2(a )] 調和振動子を仮定したときの、 H2 分子の結合の 「ばね定数」 kf [単位: N m-1] を計算せよ。 ここで波数は、波長 の逆数であり、 波長は (真空中の) 光速を振動数で割ったものであることに注意せよ。 |
一般に、原子と原子の結合は、原子核の電荷と電子の数のみに依存する。 従って、原子核の電荷は等しいが質量は異なる同位体に原子を置き換えても、 結合の強さ (すなわち、ばね定数) は変化しない。
[問題 1-2(b )] D2 (2H2H) 分子のラマンスペクトルの波長 [単位 : m]・波数 [単位 : cm-1] を予想し、実測値の波数 : 2994 cm-1 と比較せよ。 |