UNIX 基礎
三好 明

UNIX 基礎

ここには UNIX の基礎知識に関して簡単にまとめてあります.  UNIX の学習を意図したものではありませんので, 必要に応じて書籍や web 上の解説などを参照して下さい.

基礎概念

最低限, 以下は理解しておいて下さい.

ディレクトリ

Windows の 「フォルダ」 に相当します.  現在操作中のディレクトリを 「カレントディレクトリ」 と呼び, 場所を指定しないファイル名などは, カレントディレクトリにあるものと解釈されます.

ジョブ

計算機の仕事を 「ジョブ」 と呼びます.  ls, cp のようなコマンドをタイプすると, フォアグランドジョブとしてで実行され, 実行が終了するまで, プロンプトは表示されず, 次のコマンドを実行できません.  Gaussian などの数値計算のジョブは時間がかかるので, 通常, コマンドの最後に "&" をつけて入力し, バックグラウンドジョブとして実行します.

ファイルとディレクトリの操作

主なファイルとディレクトリの操作コマンドと, よく使われるオプションを以下にまとめておきます.  -f, -r, -R などのオプションの詳細は man コマンドなどで確認し, よく理解した上で使用して下さい.

コマンド

よく使われるオプション
ls ファイル・ディレクトリの表示 -l, -a
cp ファイル・ディレクトリのコピー -R
mv ファイル・ディレクトリの移動
rm ファイル(ディレクトリ)の削除 -r, -f
mkdir ディレクトリの作成
rmdir ディレクトリの削除
cd カレントディレクトリの変更
pwd カレントディレクトリの表示

オプション

-r, -R 下位ディレクトリを含める
-i 削除・上書きの前に確認を求める
-f 削除・上書きの前に確認を求めない
-a (ls) 隠しファイルも表示
-l (ls) 1ファイル1行の詳細書式で表示

ワイルドカード

*, ? は, 上記のコマンドで, ファイル名の複数指定のために使われます.  十分理解した上で使用して下さい.

バックグラウンドジョブの操作

バックグラウンドジョブは, ジョブを投入した端末を切断しなければ, 終了したことが端末に通知されます.  端末はセキュリティ上の観点から使用していないと, 自動切断するようになっていますので, 長時間のジョブの場合は, 再度ログインしてtopps コマンドで状況を確認することになります.  主なジョブ操作コマンドの使用例を以下にまとめておきます.

ジョブ操作コマンドの例

top
プロセッサの状況やジョブの実行状況をリアルタイムで一覧表示します.  終了するには q をタイプします.
ps xuf
ユーザのプロセスを, 端末から切り離されたジョブも含めて (x), 見やすい (u) 階層 (f) 表示で表示します.
kill 121212
ID 121212 のプロセスを強制終了します.  量子化学計算のジョブなどは, 階層状のシェルスクリプトから実行されているものが多いので, 階層とプロセス ID をよく確認した上で, 必要な上位のプロセスから終了して下さい.