NO の紫外 (150-230 nm) 吸収スペクトル (γ system)

NO (一酸化窒素) は紫外領域に規則的な系列の吸収スペクトルを示す。 このうち、γ system と呼ばれる遷移は、 電子基底状態 X 2Π から A 2Σ+ 状態への遷移に帰属される。 以下の出典のスペクトルには、 ~227 nm (励起状態の振動準位 ' = 0 への吸収) から ~152 nm (' = 10 への吸収) までの吸収が見られる。
スペクトルの出典 : Hideo Okabe, "Photochemistry of Small Molecules," Wiley-Interscience, New York, 1978.
NO の電子基底状態の電子配置は [1σ2222] 5σ241 であり、 γ system 遷移は、主に 2π から 6σ への電子遷移と見なすことができる。 (励起状態の電子配置 : 5σ241)   ただし 6σ 軌道は 2pσ より 3sσ の性質を強く示すため、 γ system は主量子数の変化する Rydberg (リュードベリ) 遷移であるとされる。