NO (一酸化窒素) は紫外領域に規則的な系列の吸収スペクトルを示す。
このうち、γ system と呼ばれる遷移は、
電子基底状態 X 2Π から
A 2Σ+ 状態への遷移に帰属される。
以下の出典のスペクトルには、 ~227 nm (励起状態の振動準位
' = 0
への吸収) から ~152 nm
(
' = 10
への吸収) までの吸収が見られる。


スペクトルの出典 : Hideo Okabe,
"Photochemistry of Small Molecules," Wiley-Interscience, New York, 1978.

NO の電子基底状態の電子配置は
[1σ22σ23σ24σ2]
5σ21π42π1 であり、
γ system 遷移は、主に 2π から 6σ への電子遷移と見なすことができる。
(励起状態の電子配置 : 5σ21π46σ1)
ただし 6σ 軌道は 2pσ より 3sσ の性質を強く示すため、
γ system は主量子数の変化する Rydberg (リュードベリ)
遷移であるとされる。