回転波動関数 (二次元回転子)

直線分子の回転運動は二次元の自由度 (2 つの角度 θ, φ) を持つ.  その運動は電子が原子核の周りを運動する時の角度成分と同様で, 波動関数も s, p, d 軌道などの名前でなじみ深い原子軌道と同様である.  回転量子数 J の状態が 2J + 1 重に縮退していることは s, p, d 軌道の数がそれぞれ 1, 3, 5 であることに対応する.  d 軌道では電子を入れる 「軌道」 が 5 つあるのと同様に, 回転量子数 J = 2 の状態は 5 通り存在し, J = 0 の状態よりも (その励起エネルギーを別にすれば) 5 倍存在しやすい.
~ s 軌道 (l = 0)
    非縮退
~ p 軌道 (l = 1)
    三重縮退
    pz, py, px
~ d 軌道 (l = 1)
    五重縮退
    dz2, dyz, dzx,
      dxy, dx2–y2