(c) 2001-2003 by Akira Miyoshi. All rights reserved.
2003 物理化学 II - 7章 - 補足 A

7.A 補足−分配関数の分離

  分子分配関数は、 独立な運動に関する分配関数の積に分離することができる。
  例えば CO 分子は、1つの振動と1つの2次元回転子を含み、 振動量子数 , 回転量子数 の状態のエネルギーは、

        (7.a1)

である。振動と回転が独立であるとは、このようにエネルギーがそれぞれ , のみの関数の和に分離できることであり、 振動準位による回転定数の変化などの相互作用が無視できる と仮定することに相当する。ここで、, が (2.5), (3.3) 式の調和振動子、 剛体回転子である必要はない。

  この場合に、分子分配関数は、

        (7.a2)

のように、振動分配関数 vib と回転分配関数 rot の積に分解することができる。