・電卓を使用してもよい ・ノート・教科書などは持ち込み不可 |
以下の問に答えよ。必要に応じて、 別紙資料の数値・式を参照せよ。
Q1. あるカルボニル化合物のシクロヘキサン溶液 (濃度 52.3 mmol dm-3) の吸収を波長 280 nm で測定した。 光路長 1 cm の吸収セルで透過率は 30.0 % であった。 モル吸光係数 (底 10) を計算し dm3 mol-1 cm-1 の単位でかけ。
Q3. 調和振動子近似で = 0 と = 2 の状態間の赤外振動遷移は禁制である。 この理由を説明せよ。
Q4. 二原子分子 AB の J = 0 から J = 1 への吸収が、 波数 33.8 cm-1 に観測された。 これから A-B 結合距離を求めよ (単位 , 1 = 10-10 m)。 AB の換算質量は 2.0 amu であり = 16.9 amu 2 cm-1 である。
Q5. 直線分子の J = 0 と J = 2 の回転状態間の純回転遷移は禁制である。 この理由を説明せよ。 また、二原子分子の純回転遷移は古典回転周波数に、 回転ラマンシフトは古典回転の2倍の周波数に現れる理由を説明せよ。
Q7. Cl 原子には、基底状態 (多重度 4) より 880 cm-1 エネルギーの高い励起状態 (多重度 2) が存在する。 温度 317 K のボルツマン平衡における、 励起状態の基底状態に対する存在比を求めよ。 この温度において kT = 220 cm-1 である (k はボルツマン定数)。
Q8. 同じ温度における、H2, HD, D2 分子の回転分配関数の比を求めよ。
*Q9. 塩素分子 Cl2 の振動の波数は 556 cm-1 である。 温度 400 K の平衡状態において、振動量子数 = 1 の状態の = 0 の状態に対する存在比を求めよ。 400 K において kT = 278 cm-1(k はボルツマン定数)であり、 回転定数は振動状態に依存しないとする。
Q10. 剛体回転子近似のもとで CO 分子 (回転定数 1.92 cm-1) の 303.9 K のボルツマン平衡における回転量子数 J = 10 の状態の回転基底状態 (J = 0) に対する存在比を求めよ。 この温度において kT = 211.2 cm-1 である (k はボルツマン定数)。
*Q11. ある分子の磁気モーメントは 1.73 B である (B はボーア磁子)。 磁気モーメントは主に電子スピンによるとして、 この分子の不対電子数を推定せよ。
1.対数・指数・平方根
x | 0.1 | 0.2 | 0.5 | 0.7 | 1.5 | 2.0 |
自然対数 ln(x ) | -2.30 | -1.61 | -0.69 | -0.36 | 0.41 | 0.69 |
x | 0.2 | 0.3 | 0.5 | 0.7 | 2.0 |
常用対数 log10(x ) | -0.699 | -0.523 | -0.301 | -0.155 | 0.301 |
x | -4.0 | -2.0 | -1.5 | -1.0 | -0.5 | 0.5 | 1.0 | 1.5 | 2.0 |
指数関数 exp(x ) | 0.0183 | 0.135 | 0.223 | 0.368 | 0.607 | 1.65 | 2.72 | 4.48 | 7.39 |
x | 0.1 | 0.5 | 1.5 | 2.0 | 3.0 | 5.0 | 15.0 |
平方根 | 0.316 | 0.707 | 1.225 | 1.414 | 1.732 | 2.236 | 3.873 |
2.重要な式
ランベルト-ベール則 (底 10): , (底 e ):