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2000 物質化学(無機) - 過去問

1999 年度以前の試験問題
 1999 年度以前の試験問題です。 講義内容は年によって少しづつ異なりますので、過去の問題の中には 2000 年度の講義では触れなかった部分も若干含まれています。

1998 年度
担当教官: 三好 明
試験日時: 平成10年9月1日(火)10:50 〜 12:20(90分)
指定クラス: 2年理1(10-15, 29)・理23(01-02, 04-06, 16)
教科書・ノート・資料などの持ち込みは不可
答案用紙: 両面2枚
(印刷が不鮮明などの場合以外、試験問題に関する質問
は受け付けない。)

物質化学(無機系化合物)試験問題

以下の問に答えよ。必要に応じて、 下の周期律表・電気陰性度の表を参照せよ。

問題1
1) 構成原理に基づいて以下の原子の基底状態の電子配置を書け。
 a) O (第 2 周期 16 族) b) Ni (第 4 周期 10 族)
2) 水素原子の 2s 軌道と 2p 軌道のエネルギーは等しい。第 2 周期以降の原子では 2s 軌道が 2p 軌道よりも低くなる理由を説明せよ。
3) 13-16 族典型元素化合物の以下の性質は、 周期律表を下がった時にどのように変化するか? その理由を示して説明せよ。
 a) ハロゲン化物の構造・結合のイオン性  b) 酸化物の構造・結合のイオン性・酸性-塩基性
4) ヘリウムやラドンが岩石中に存在している理由を説明せよ。

問題2
1) 気体の HCl, NaCl 分子の結合はどちらがイオン結合性が強いか? 理由を示して説明せよ。
2) PF5 分子の構造と結合形態を説明せよ。
3) B2H6 分子の構造を示し、 各々の結合の結合次数と結合の形態を説明せよ。
4) 第 3 遷移系列 (第 6 周期) 金属の融点は W(タングステン) で最高、 Hg(水銀) で最低となる。この理由を説明せよ。

問題3 1) O2 分子の分子軌道を示した上で、O2 分子とそのイオン (O22-, O2-, O2, O2+) の結合次数を推定せよ。
2) 水溶液中で、亜塩素酸 (HOClO) と過塩素酸 (HOClO3) はどちらが強い酸か? 理由を示して答えよ。
3) BF3, BCl3, BBr3 をルイス酸性の強い順に並べよ。またその理由を説明せよ。

[周期律表・電気陰性度の表 (省略:1999年度の問題と同様)]


1999 年度
担当教官: 三好 明
試験日時: 平成11年9月7日(火)10:50 〜 12:20(90分)
指定クラス: 2年理1(09-14, 29)・2年理23(01-06, 16)
教科書・ノート・資料などの持ち込みは不可
答案用紙: 両面2枚
(印刷不鮮明の場合以外、試験問題に関する質問は受
け付けない)

物質化学(無機系化合物)試験問題

以下の問に答えよ。必要に応じて、下の周期律表を参照せよ。


1) 原子の M 殻(主量子数 = 3)には、最大何個の電子が収容できるか? 方位量子数ごとに、各々の軌道に収容可能な電子数を示した上で答えよ。
2) 構成原理に基づいて、以下の原子の基底状態の電子配置を書け。
 a) Si, b) Br, c) Ti
3) 12 族元素はしばしば、典型元素に分類される。この理由を、 2価イオン(M2+)の電子配置を示した上で答えよ。
4) 気体 BeCl2、固体 (BeCl2)n の結合はどのような結合であるかを、それぞれ説明せよ。
5) 酸素分子 O2 が電子基底状態で3重項である理由を、 分子軌道を示した上で答えよ。
6) 3中心2電子結合と3中心4電子結合を、例を挙げて説明せよ。
7) 14 族元素の酸化物の典型的な組成は、CO2, SiO2, GeO2, SnO, PbOである。Sn 以降で組成が異なる理由を説明せよ。
8) 14C を用いた年代決定の方法を説明せよ。
9) 13 族と 15 族のハロゲン化物の例を示し、13 族と 15 族の化合物の特徴を対比させて説明せよ。
10) 典型元素の同族元素で、周期律表を下がると、一般に 結合は不利になる。 この結果として化合物の安定な構造はどのように変化するか? 例を示して答えよ。
11) 第3遷移系列(第6周期)金属の原子化エネルギーは W(タングステン) で最大、Hg(水銀) で最小となる。この理由を説明せよ。
元素の周期律表

周期
123456 789101112131415161718
1
1.008
1

H
2.20
4.003
2

He
-
2
6.941
3

Li
0.97
9.012
4

Be
1.47
10.81
5

B
2.01
12.01
6

C
2.50
14.01
7

N
3.07
16.00
8

O
3.50
19.00
9

F
4.10
20.18
10

Ne
-
3
22.99
11

Na
1.01
24.31
12

Mg
1.23
26.98
13

Al
1.47
28.09
14

Si
1.74
30.97
15

P
2.06
32.07
16

S
2.44
35.45
17

Cl
2.83
39.95
18

Ar
-
4
39.10
19

K
0.91
40.08
20

Ca
1.04
44.96
21

Sc
1.20
47.87
22

Ti
1.32
50.94
23

V
1.45
52.00
24

Cr
1.56
54.94
25

Mn
1.60
55.85
26

Fe
1.64
58.93
27

Co
1.70
58.69
28

Ni
1.75
63.55
29

Cu
1.75
65.39
30

Zn
1.66
69.72
31

Ga
1.82
72.61
32

Ge
2.02
74.92
33

As
2.20
78.96
34

Se
2.48
79.90
35

Br
2.74
83.80
36

Kr
-
5
85.47
37

Rb
0.89
87.62
38

Sr
0.99
88.91
39

Y
1.11
91.22
40

Zr
1.22
92.91
41

Nb
1.23
95.94
42

Mo
1.30
(99)
43

Tc
1.36
101.1
44

Ru
1.42
102.9
45

Rh
1.45
106.4
46

Pd
1.35
107.9
47

Ag
1.42
112.4
48

Cd
1.46
114.8
49

In
1.49
118.7
50

Sn
1.72
121.8
51

Sb
1.82
127.6
52

Te
2.01
126.9
53

I
2.21
131.3
54

Xe
-
6
132.9
55

Cs
0.86
137.3
56

Ba
0.97
La-
Lu
178.5
72

Hf
1.23
180.9
73

Ta
1.33
183.8
74

W
1.40
186.2
75

Re
1.46
190.2
76

Os
1.52
192.2
77

Ir
1.55
195.1
78

Pt
1.44
197.0
79

Au
1.42
200.6
80

Hg
1.44
204.4
81

Tl
1.44
207.2
82

Pb
1.55
209.0
83

Bi
1.67
(210)
84

Po
1.76
(210)
85

At
1.96
(222)
86

Rn
-
7
(223)
87

Fr
0.86
(226)
88

Ra
0.97
Ac-
Lr
(261)
104

Rf
-
(262)
105

Db
-
(263)
106

Sg
-
(262)
107

Bh
-
(265)
108

Hs
-
(266)
109

Mt
-
Lantha-
noids
(La-Lu)
138.9
57

La
1.03
140.1
58

Ce
1.06
140.9
59

Pr
1.07
144.2
60

Nd
1.07
(145)
61

Pm
1.07
150.4
62

Sm
1.07
152.0
63

Eu
1.01
157.3
64

Gd
1.11
158.9
65

Tb
1.10
162.5
66

Dy
1.10
164.9
67

Ho
1.10
167.3
68

Er
1.11
168.9
69

Tm
1.11
173.0
70

Yb
1.06
175.0
71

Lu
1.14
Acti-
noids
(Ac-Lr)
(227)
89

Ac
1.00
232.0
90

Th
1.11
231.0
91

Pa
1.14
238.0
92

U
1.22
(237)
93

Np
1.22
(239)
94

Pu
1.22
(243)
95

Am
~1.2
(247)
96

Cm
~1.2
(247)
97

Bk
~1.2
(252)
98

Cf
~1.2
(252)
99

Es
~1.2
(257)
100

Fm
~1.2
(258)
101

Md
~1.2
(259)
102

No
-
(262)
103

Lr
-
凡例
原子量
原子番号

元素
電気陰性度
(Allred-
Rochow)