演習問題 2 のヒントと解説

問題 2.1

  • 直線分子回転状態のボルツマン分布
    は、多重度 2J + 1 が J に比例し、 ボルツマン因子が J に対してガウス関数的に減衰するため、 右図のような関数になっています。
    回転線強度 IP,R(J) は、 この分布に比例することから、次式が得られます。 ここで α は比例定数です。
    従って、この式の左辺の値を、回転エネルギー BJ(J + 1) に対してプロットすれば、その傾き, −(1 / kBT), から温度が計算できます。
  • 以下のような単位で kB を表しておくと、計算が確実です。
    kB = 0.69503 cm−1 K−1
  • 横軸に J(J + 1) を使うとプロットが容易になります。
  • 結果は R(J) から 250~270 K,  P(J) からは 310~330 K になります。

[より正確な温度を得るためには ...]

  • プロットの J の小さい方の 1~2 点は直線からずれ、 P 枝と R 枝の解析で、温度が異なります。  これは、ここでの単純化した解析が不十分なためです。
  • 要因の一つは、吸収強度は 上の状態の多重度にも依存するので、 2J + 1 ではなく J' + J + 1 に比例することです。 ここで J' は上の状態の回転量子数です。  発展課題 2 で説明しているように、 P 枝で J' = J − 1, R 枝では J' = J + 1 なので、(2.5) 式は以下のようになります。
    ,  
    興味のある人は、試してみて下さい。

発展課題 2 (オプション) のヒントと解説

問題 2.2

  • どこの回転線間隔を用いるかで変わりますが、平均値は r ~ 1.3 Å になります。

問題 2.3

  • こちらは、使う結合差にはあまり依存せず r' = 1.30 ~ 1.31 Å および r" = 1.28 ~ 1.29 Å になります。 丁寧に比較すると J の大きなところでは核間距離が若干大きくなる傾向 (遠心歪) が見られるはずです。